<< October 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< こやたちのひとりごと | main | 遊んで 遊んで >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

スポンサードリンク * - * * - * -

やかまし村の子どもたち

やかまし村の子どもたち (岩波少年文庫(128))
やかまし村の子どもたち (岩波少年文庫(128))
アストリッド・リンドグレーン/作 大塚勇三/訳  岩波書店   

 数ある児童文学作品の中でアストリッド・リンドグレーンの諸作、とりわけ「やかまし村」のシリーズは特別な作品であるように思います。それは子どもであることの幸福感とでも呼ぶべきものが作品全体に満ち溢れているからです。
 ぼくが子どもだったころは、まだ児童文学と呼べるような作品も数少なく、より一層の輝きを「やかまし村」は放っていました。しかし、たくさんの優れた児童書を読むことができるようになった今も、けっしてその価値は色褪せるものではありません。

 「やかまし村の子どもたち」を再読しました。何度読読み返してみても、やかまし村の子どもたちが過ごす至福の時間はそのままです。
 やかまし村に暮らす六人の子どもたちにかかると、どんな平凡なこと、どんな退屈なことも魔法のように楽しさに変わります。たとえば、遠く離れた大村までの通学はつらくて大変なはずですが、彼らはこんな具合です。

 「だいたいさ、道しかあるいちゃいけないなんて、だれがきめたんかな?」
 すると、ブリッダがいいました。
 「きっと、どこかの大人がかんがえだしたのよ。」
 「そんなとこだろうな。」と、ラッセはいいました。
 わたしたちは、垣根のうえをどこまでもあるいていきましたが、これは、じつ
 におもしろいので、わたしは、「もう、ぜったい、道のうえなんかあるくまい。」
 とおもいました。


 ぼくはこういった子どもたちの力を「楽しさを創造する力」と呼んでいますが、じつはいつの時代も、どの子どもたちにもこの力は備わっているのです。ぼくは様々な活動を多くの子どもたちとともにしてきましたが、その力を持ち合わせていない子どもにお目にかかったことはありません。
 ただ、子どもたちがそういった才能を発揮する機会は、残念ながらいまのこの国の多くの子どもたちからは奪い去られているように思います。大人の方はこの「やかまし村の子どもたち」を注意深く読んでみてください。やかまし村の子どもたちが至福の時を過ごすことができるのは、自然に恵まれたやかまし村のロケーションのためではなく、子どもたちをやさしく見守る大人の眼差しがあってのことだということを。そして、それは大人がその気になればいつでも子どもたちに提供することのできる環境なのです。

 いつも子どもの視線で物語を描き続けたリンドグレーンの名作。すべての子どもたちに読んでほしい一冊です。

※文中の太字部分は「やかまし村の子どもたち」より引用

海 五郎 * 読み物 * 17:54 * comments(4) * trackbacks(0)

スポンサーサイト

スポンサードリンク * - * 17:54 * - * -

コメント

やかまし村シリーズ、大好きでした。こんな村に住みたくて。じぶんのお部屋をもらうお話が好きだったな!私も姉とずっと一緒の部屋だったので、こんな素敵なプレゼントをもらってみたかったです。

たまたま、この間までのテッチの夜寝る前の絵本が「長くつしたのピッピ」でした。リンドグレーンのお話に胸をわくわくさせるのは、男の子も女の子も関係ないようですね。
Comment by なつめ @ 2008/02/05 11:25 PM
なつめさん
リンドグレーンはわくわく度は格別ですね。
なによりも、子どもであることがすばらしいことなんだと子どもながらに思えること。
リンドグレーンを読まずにおとなになるのは取り返しのつかない損だから、どの子にも読んでほしいと心から思います。
Comment by 海五郎 @ 2008/02/06 12:14 AM
海五郎さん、こんにちは。
「リンドグレーンを読まずにおとなになるのは取り返しのつかない損」
くうっ…取り返しのつかない損をして大人になりました。
勤め先の店長さんがリンドグレーンが大好きな人で、
店のかなりのスペースを使っています。
だから、読まねば…と思いつつも…。
最近、岩波書店からでた絵本の『ペーテルとペトラ』はお気に入りです。

我が家のチビィは、なつめさんのおうちのテッチくんと同じ小3生。
次のおねむの本にピッピを読んであげようと思います。
Comment by しんばる @ 2008/02/26 10:11 AM
しんばるさん、こんばんは。
リンドグレーン、お子さんと一緒に読んでくださいね。
ぼくは小3の子どもがとても好きなのですが、それはリンドグレーンの作品と同様に子どもであることのすばらしさを彼らが教えてくれるからです。
子どもの頃に読まなかった損を取り返すなら、小3のパワーを借りましょう(笑)。
Comment by 海五郎 @ 2008/02/27 12:58 AM
コメントする









トラックバック

このページの先頭へ