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もぐらのおとしあな

もぐらのおとしあな 復刻
もぐらのおとしあな 復刻
いわきたかし/文 しまだみつお/絵  童話屋   

 ぼくが生まれ育ったのは新宿を起点とする小田急線の沿線です。それでも、若い頃からなじみの盛り場といえば渋谷の街でした。
 古くは中学生の頃、なぜか生物部員だったぼくは、志賀昆(しがこん)の愛称で親しまれた「志賀昆虫普及社」に足繁く通ったものです。渋谷駅から宮益坂を登って、そのてっぺんに偉そうに建っていた「仁丹」の看板とその下に位置するる志賀昆のお店の雰囲気は、中学生だったぼくにはおとなの世界への扉のように思えたものです。
 それにしても、志賀昆の捕虫網の独特の手触りには、本物だけが持つ風格のようなものが感じられます。中学生でその風格に触れたぼくにとって、それはその後の人生で物を見るときの基準とさえなりました(当時使っていた捕虫網は今も使える状態で残っています)。

 その後、宮益坂のてっぺんを東京都の児童会館に向けて、少し下ったところにできた「童話屋書店」にもよく通いました。渋谷の中心街から徒歩五分とは思えない落ち着いたお店の雰囲気は、絵本や子どもの本を手に取るのが楽しくなるような場所でした。ここがあったからこそ出会うことができた大切な本も数多くあり、たいへんお世話になったものです。

 残念ながら、童話屋書店はすでに閉店してしまいしまたが、出版社としての「童話屋」は健在です。その童話屋から童話屋書店があったころ、そこでとても人気のあった「もぐらのもっくの絵本」が復刊されました。
 このシリーズは四冊あって、それぞれに四季にちなんだお話がひとつずつ収められています。きょう紹介するのは、春のお話「もぐらのおとしあな」です。

 もっくは食べることと昼寝をするのが好きな小さなもぐらです。けれども、もっくは穴を掘るのといたずらをするのがもっと好きでした。
 ある朝、もっくはいいことを思いつきました。小さなしゃべるで誰にも見つからないように穴を掘ったのです。その落とし穴に、かたつむりが落ちました。
 もっくはもっと大きな穴を掘ります。今度はかえるが、次はうさぎが。さらに大きく掘ると、たぬきはやいのしし、くまももっくの落とし穴に落ちてしまったのです。
 夕陽が沈んで、一番星が東の空に光っても、もっくは大きな穴を掘り続けます。みんなは、しーんとしてもっくの穴掘りを見物していましたが、その落とし穴になにが落ちるのか、誰にもわかりませんでした。

 でも、
 もっくにだけは
 わかっていました。
 「あした
 めをさませば
 きっと
 すごいのが おちてる。」


 さあ、大きな穴には何が落ちるのでしょう。
 最後のページを開くとき、きっとこの絵本を読んだ子どもたちは大喜び。楽しさ溢れるすてきな絵本が、童話屋書店の雰囲気を今に伝えてくれています。

※文中の太字部分は「もぐらのおとしあな」より引用
海 五郎 * 日本の絵本 * 16:45 * comments(0) * trackbacks(0)

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